NHK 日本の、これから「鳩山新政権に問う」 八ツ場ダム

日本の、これから「鳩山新政権に問う」より抜粋

八ツ場ダムで賛否両論

勝間和代:
「いわゆるエクセレントカンパニーといわれている優秀な会社ほど実はよく撤退しているんです。始めたんだけどうまくいかなかったものについては今までのコストがもったいないというより、これから先のコストのほうが余程もったいないと考えるのが優秀な会社なんですね。
ですので失敗したと思ったら時間もお金ももったいないから即座にやめて、大事なお金と時間を別のより有望なプロジェクトに賭けるというのがある意味会社では常識になっています。ですので国にもその常識を持ち込もうということですよね。」

片山善博:
「本当にダムが必要だったのか。徹底的に検証するべき。
止めた方がお金がかかるんだというデータが国交省から出ているがこれもマユにツバをつけた方がいい。検証すべき。それから自治体に返還するから国から見れば出ていくことになるが、国・地方全体で見れば、お金が残るわけで無駄遣いするわけではない。
私はたぶん「止めた方がいい」ということになると思います。」

見直しを検討しているダムが全国に143ヶ所
民主党は、不要不急・効果の乏しい事業は国の責任で凍結、廃止する方針。

スタジオ一般参加者意見

・公共事業は大事。雇用を創出するような産業がほとんどない。

・公共事業が地方にもたらす影響は大きい。
東京の根拠を示して納得させた上で中止。

・見直す、すなわち中止することではなく、物差しを測りなおそうということで、
八ツ場ダムも途中計画変更で予算が変わっている。

・GDP比で公共事業に割り当てられる予算は先進国の中でずば抜けて大きい。

・費用対効果だけでは測れないこともある。救急車も通れない道はどうするんだと。
都会と同じ扱いはしてあげないとダメ。

・お金の使い方を変えてもっと地域に有益な、本当に必要としていることにお金を使う知恵を出すということ。

大塚耕平:
「『地元の意見を聞くべきで東京で決めるな』はおっしゃるとおりです。だからこそ地方分権が必要なんです。地元の方が本当に必要ということであれば財源も戻しますので地域の方の合意を得て造っていただければいい。

『地方も都会と同じように』という意見については、全国津々浦々をそのようにしたら日本は持ちません。今JALが大変だって言うのも、地方の皆さんが空港も、新幹線も、高速道路も欲しい、をみんなやっちゃったんです。これ立ち止まって考えないと大変厳しい状況になります。

官僚のやることには間違いがないということ。これを「無謬性」といいます。
この無謬性が過去日本に大きな災いをもたらしたということは我々もう一回よく考えてみるべきだと思います。」

・公共事業は個別には検証を必要とするが、トータルで見直し、縮小すべき。福祉の財源も足りない。

大塚耕平:
「50年前と今とでは、社会の構造、ニーズも変わっている。それにあわせて支出の内容を変えていくだけで、どんどん小さくしていくわけではない。」

片山:
「公共事業をやってきた時期というのは景気対策の時。
早くやれ、大量にやれ、という号令がかかるわけですよ。
早くやれるところはあまり人の住んでないところ。用地買収のいらないところとか。
やれるところをやってるという面がある。有効性がない。

公共事業が減ったら地域が再生できないというが、公共事業は雇用にはさほど効果がないという実感がある。大量にお金を使うんだけどその多くは土地代で消える。鉄、セメントなどに消える。
雇用にまわるお金はそんなに多くない。教育の学校現場で学校図書館の秘書さんだとか、メンタルケアの専門家だとか、本当に必要な部門に人を配置すれば100%人件費ですからごくわずかなお金で雇用が生み出されるんですよ」

勝間:
「対GDP比で公共投資は一番高いのに、教育費は最低水準。
不要不急のものに使うより、教育、家族、福祉に使った方が実は地方も含めてみんなもっともっと幸せになれるはずなんです。」

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