暴力団の尻拭いは誰がするのか?

保護費詐取、2億円を全職員穴埋め?「連帯責任」に異論も

生活保護を受けていた元暴力団員と妻が、札幌市の病院に介護タクシーで通院したように装い約2億4000万円の通院タクシー代などをだまし取った、北海道滝川市の生活保護費詐取事件。

だまし取られた2億4000万円の公金は戻らず、市は全職員の給与を損害の補填に充てる構えだが、

「直接関係ない職員に負担させるのは、責任の分散化で、無責任体質を強める」
「損害を、職員の給与で補填することがパターン化しかねない」と懸念も。

滝川市の職員労働組合は全職員の給与削減に強く反発し、同意を拒否し続けている。
金子和史執行委員長は、「市は事件の被害者であり、職員が補填する理由はない」。

直接関係ない職員の給与で補填することが理にかなっているかどうかは、言われるとおりだと思う。

しかし、市民という不特定多数の「実体」について、軽視してもらっては困る。

職員が負担する筋じゃない → だから? 市民が負担するの?

事件について、「市民」は「職員」よりもっと遠い。

当事者は、主語を市民にすりかえて、「責任の分散」「パターン化」をせず、決着をつけなくてはならない。

この事件について、市はチェック体制の甘さが、被害拡大の一因となったことを認めているが、

「チェック体制の甘さ」じゃなくて、暴力団の威圧に屈したのだ。
この期に及んで、誤魔化しをするなら、また同じことが繰り返されるだろう。

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