「サプライズ」 10.1より
元兵庫県警刑事 飛松五男
「取調べの全面可視化なんて馬鹿げてますよ。
そんなことしたらね。検挙率は減るし。もう近くにね。どんどん犯罪が発生するし、暗黒の世の中になりますよ」
民主党のマニフェストに挙げられていた警察による取調べの全面可視化が実施される見通しが明らかになった。
ビデオカメラとマイクを取調室に設置し、すべての過程を録音・録画する。
不当な取調べによって被疑者がウソの自白をすることを防止し、冤罪事件を抑制する。
うその自供をでっち上げた。
鹿児島志布市の踏み字志事件
新聞のアンケート調査によると全面可視化すべきと答えたのは64%。
飛松:
「犯人がね取調室に入ってくるじゃないですか。
『すんません』ていうのなんかおりませんよ。
『すんません』ていうくらいなら悪いことしませんよ。
恫喝しますよ、当然恫喝します。
それが可視化されとったらね。できないじゃないですか。
可視化した場合は聞き取りだけなんですよ。
相手が言うことをね。はいはいって聞いていくんですよ。
取調べができなくなる」
■犯罪を誘発する
「まずね一番が窃盗犯です。泥棒です。
この犯罪の場合はね。取調べが非常に難しいです。
本来なら泥棒って言ったらね。常習犯ですからね。
30、40、100。ひどいときは1000。それくらい余罪があるんですよ。
これが全然捜査できなくなる。
即犯罪が起きる、誘発するというのはね。
暴力団犯罪ですよね。弁護士もついてますからね。
弁護士からね。ビデオの内容、これは漏れますよ。
聞いた兄貴分、親分はね。やっぱり仕返ししますよね。
仕返ししてね。暴力団同士の場合、さにあらず
市民を巻き込むじゃないですか。そういう被害がね。どんどん起きると思います」
■民主党新人議員 元大阪府警刑事中島正純 衆院議員
「可視化には賛成というふうに思っております。ただ、私も元刑事ですから。
今日本全国の警察官は可視化についてはおそらく反対してると思うんですよ。容疑者が権利の主張をしてくるということが一番大きな要因だと思うんですよ。
録音録画してくれているんだということで権利の主張をしてきてなかなか自供をしないようになったりということもあり得ると思います。
欧米のように物的証拠だけで起訴する、逮捕状が出るとというのはなかなか日本の法律では消極的なんですね。自供がないとダメ。そのことによって本当に悪い犯人が裁かれないということになって日本の治安が悪くなっていくということも考えられます」
全面可視化のもとでは警察の取調べは手ぬるいものになる。
ふたりの元刑事は先行きを不安視。
■飛松元刑事の取調べテクニック 経験を語る
飛松:
「みぞおちにねドーンとやったんです。『うわー』て言ってね・・・
座ってるんですけど全然震えが止まらないんです」
仕掛けたワナ。
「イスの脚の1本を2~3センチ切る。
安定しない→心の動揺で揺れていると思い込む。
そういうことやったらね。すぐ自供するんです」
灰皿をぶつける。
「当たっても一つも痛くないやないですか。脅すために机にぶつけるんですよ。
ダーンってやるんですよ。ババババーンってやるんですよ。
相手も殴ってきますよ。私自身もやられたことありますよ。
(口元を指し)七針縫いました。バーンってどつきましたよ。
いうたら恫喝ですよ。どんどん言いますよ
そしたら後でね、本人の顔ずっと見てますからね。
ここというときにね。『お前いい顔しているやないか、ごっついいい顔しとる』と
いわゆるジャニーズみたいにね。かわいらしい顔してましたよ。
もう顔がね。ニンマリとしてくるんですよ。
そのことをほめていきましたらね。もう強盗事件でもね。どんどん話してくれましたよ」
■過去に取り調べを受けた元窃盗犯の男の話
「逮捕されて入ったら威嚇はあるわね。言葉の制圧はヤクザ以上やな。
叩かれたり蹴られたり椅子ひっくり返してドスンと落ちたりするのはしょっちゅうや思うで誰でも。
態度でも悪かったら足でも蹴ってくるからな。『コラちゃんと座らんかい』って机に頭ゴンゴン打たれたこともあるわ」
飛松:
「今、やっと(検挙率が)横ばい状態でね。
治安がよくなろうとしている時に可視化っていうのが突然できたらね。
それが急落します。目の前で殺人がボコボコ起きますよ。
暴力団は拳銃をバカバカ撃ちまくりますよ。
それでよかったらどうぞ可視化してください。今すぐしてください」
■スタジオ賛否 可視化に賛成?
大竹まこと ○賛成
磯野貴理 ×反対
高橋ジョージ ○賛成
眞鍋かをり ○賛成
勝谷誠彦 ○賛成
ほっしゃん ×反対
憲法第38条【不利益な供述の強要禁止】
強制、拷問もしくは脅迫による自白、または不当に長く抑留もしくは拘禁された後の自白はこれを証拠とすることができない。
高橋ジョージ
「少年の頃、何回かお世話になりました。本当殴られますよ。
髪の毛引っ張られて廊下引きずられて髪すごい本数抜けました。全然無罪でした」
勝谷誠彦:
「法律関係者は大体何が行われているかわかってる。狭い社会だから。だけど今度裁判員が決めるじゃないですか。裁判員はまさか密室でこんな風に自白させられているなんて思わないでしょ。素人が裁く以上、可視化して見せないことには危なくてやってられない
犯人と刑事は対等じゃない。刑事の背中には国家権力がついてる」
視聴者投票結果
賛成反対とも22000ほどでほぼ拮抗
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最近テレビ見ていて思うのは、被疑者が皆、犯行を否認すること。
昔はこんなことなかったように思うけど実態はどうなの?
誰の目にも明らかだろう、みたいなケースでも平気で否認してくる。
往生際が悪いっちゅうか。
でも暴力団なんて昔からそうだろうし、
取調べがぬるくなれば、悪党ほど”落ち”なくなるんじゃ?
冤罪を防ぐという根拠はわかるけど、捜査手法だけで冤罪が作られるわけじゃない。
むしろ、その後の裁判での不当な判断の方が大きいように思うんだが。
元刑事の主張どおり取調べが変わって検挙率が下がることがあっては本末転倒なので、録画はすれども、常に公開する、ものである必要はないと思う。
取調べは法を平気で犯す者達を相手にしなければならないのだから、圧力はある程度必要。
捜査に制限にならない形で記録するようにはできるはず。
だから
捜査に制約がかかるなら反対、そうでなければ賛成。
しかし、飛松の発言は大いに笑わせてもらった。