予算見直し議論 新報道2001 10.11

上山信一 慶応義塾大学教授:
「政権交代というのは過去と断絶するということなので、見直しどころか、本当は廃止。一旦廃止して再編成するというくらいの過激さがあって当然だと思います。
政権交代は、国は非常に久しぶりですけども、自治体はこの数年よく起きているわけですね。たとえば、滋賀の新幹線問題ですね。あれはもう、着工していた新駅を造るっていうのを途中でやめちゃった。大騒ぎだったけど終わってみると、まぁよかったよね、と。

それから去年の橋下大阪府知事の予算の見直し。これ横で私一緒にやってましたけども、あれも2月ですよね。2月に本予算4月から始まるやつを全部ひっくり返して見直したんですね。政権交代って言うのは普通そうだと。そういう意味では私は削減という言葉もいかがなものかと思うんですね。

そもそも一旦、全面廃止。それからどうしても必要な補正予算を新たに組みなおす。削減率という言葉もね、ある意味では霞ヶ関に騙されているんじゃないかと。それからテクニカルなことですけども、今から一年前ですね、本予算を組むために各省庁は相当必死になって議論をしていたはず。そこで組めなかったものがですね、泣く泣く本予算に入ってないはずなんですね。そこに入ってないような補正予算は全部廃止だと思います。」

江田憲司:
「なんのために補正14兆の無駄の解消やってんのか。それは来年度の新規予算、子育て手当てとかを作り出すためにやってるのか、それとも、1月にもう一回補正を打つための財源のためにやってるのか。ここが全然はっきりしてないんですよ。国家戦略室というのは本来そういうことをやるべきなんですけど、それによって全然違ってくるんですよ。

来年度新規予算の財源をやるんなら当初予算の207兆円ベースでですね、無駄遣いを解消してそれを財源に充てていかなきゃいかんわけですね。そもそもこの補正っていうのは麻生政権下で14兆、15兆出したわけですよ。たとえば国際会議に行って各国はGDPの2%を出しましょう。日本はがんばって3%出しましょう。で15兆円の規模にしましょう。まず初めに額があってそれを積み上げているわけですから無駄が多いんですよね。この結果、今の国家予算は当初予算の88兆プラス14兆で100兆円を超えている、国債発行も44兆円も超えてる。

こんなものを前提にしてですね、無駄遣いを解消しましたからその財源を新規予算に充てましょうなんて発想だと、国家財政が破綻してしまう。2兆だ3兆減らしたって騒いでますけど、ホントはこの補正予算というものを来年度の新規予算に流用しちゃいかんのですよ。

無駄なんだから減らすの当たり前。減らしたら、国債10兆円でできてるわけですから10兆円の国債を減らしていく。もし、ほんとに2次補正景気対策必要なんだったら2兆3兆のお金を鳩山さんがおっしゃるように1月の補正予算につぎ込んでいく。こういった戦略、基本方針がないままに『ハイ、無駄遣いを解消していきましょう』というのは一番問題だと思います。」

渡辺周:
「今回手をつけているのは自民党時代につくったもので、我々が本当に理想としてかたちにするものは来年度予算ですから。もし、2番底の景気の危機、雇用の危機が来た場合のために当然補正を考えるのは当たり前のこと。連続性を断ち切って、緊急性のないものは新たな政策として切り替えていく、それが補正予算であり、来年度予算であるということです。」

江田:
「来年皆さんは7.1兆円の財源を出すとおっしゃっているわけですね。7.1兆円の財源はあくまで平年度ベースの当初予算で出さないと意味ないんです。麻生政権下で膨らまし粉みたいにつくった14兆から、2兆3兆出しましょうとうのは、それについておかしいという声があがらない。」

津村啓介:
「お金に色はありませんから、別の作業として方針を分けてちゃんとやっているわけです。お金に色はないからこそ、わかりやすい説明として、人によっては、『ここでこんだけお金が浮けばこっちに使えるよね』という言い方で説明をされる方はあるかもしれませんが、国家戦略室としてはきちんと2つ、補正予算はこう見直しましょう。当初予算は概算要求全部ゼロベースで見直しましょう、2つ方針をきちんと出しているので、そこはごっちゃにしてはいないです。」