チェ・ゲバラ伝 三好徹 著

CMでもやってる。1月に2本、チェ・ゲバラに関する映画封切りを控え、予習的にチェ・ゲバラの伝記を読んでみた。といっても映画を見る予定はないけど。

「チェ・ゲバラ伝 三好徹 著」

歴史小説と違って面白おかしい情景の描写や、美化された武勇伝でもないので感動することは正直なかった。神経が劣化しているのかな。

まず、入れ替わり、地名、人名など、聖書のごとくカタカナが出てくるのでまじめに理解して読もうとすると頭が痛い。
映画ならもっとすんなり頭に入るだろうな。映像の偉大さを再認識した。

革命家であらんとする者。
チェ・ゲバラという人物

目の前にある問題を理想的に解決しようとすることに固執する人生。
(「理想的な手段」ではなく、結果が理想的になるように)
そのためには命も惜しまないのは事実のようだ。

アルゼンチンに生まれ
南米特有の「ルーズで陽気」ないわゆるラテン気質ではなく、ぶっきらぼう、無口な印象を与える勤勉な研究家であった。博士号を取得している医師でもあり、「ゲリラ革命家」とはいえ単なる武骨だけではない。
異質な存在の誕生は、生まれる場所、人種に依らないらしい。

この手の人物が結果として世界を動かす大きな仕事をするのは事実だが、彼らからすれば、自分の性癖的渇望を満たすためだけに生きたように感じた。潔癖症の人間が手を洗いつづけるように…。自己犠牲だとは思わない。

革命家であることに満足し、そのような生き方しか出来ないのだろう。
自分の子供たちに対しても同様であれ、といっている。
キューバ革命後には、「飽くまでキューバ」ではなく、コンゴ、ボリビアに入ってゲリラ活動を続けたことでもそう思う。彼は「革命」を求めていったのだ。

カストロという人物にも興味が湧いた。
今までイメージでは、キューバの「反米独裁者」程度しかなかった(単にものを知らないだけだけど…)。

「独裁者」のイメージとは、国を私物化して横暴をつくす、ものだったが
カストロとはチェ・ゲバラ同様、無私の改革魂の持ち主の一面を知った。
それまでの「独裁者」を打倒して民衆の支持を得た地位だった。
(これがチェ・ゲバラをも世に出した「キューバ革命」)

彼らの目的が金銭、地位・世間的な名誉などの私欲を満たすのではなく、表向きは国家、民衆のための革命、いわば赤誠的野心。

犠牲をいとわぬ改革者と、保身一点の政治家。
日本には改革者がいるだろうか?とすぐ思ってしまう。

昨年、総選挙がどのタイミングになるか?という議論で、「自民党からすれば、アメリカの大統領選の結果が出る前がいいはず」という意見があった。

勝つことが予想されるオバマ政権の誕生が、日本人の政権交代に対する意識を助長するからだが、今現在は4月以降解散が濃厚になっている。

しかし、何かの因縁か、1月には封切られるチェ・ゲバラ2本の映画

「チェ 28歳の革命」
「チェ 39歳 別れの手紙」

がある。

オバマ政権よりチェ・ゲバラの「革命」思想の方が総選挙に決定的に作用したりして…。
チェ・ゲバラがどんな人物であったかを断片的にキーワードで表現すると…。
1928年6月14日生誕
生地 アルゼンチン
生来の冒険好き
生涯、喘息に悩まされた
医者
読書家
努力家
研究家
働き者
頭脳明晰
完全主義者
百科辞典のような人物(本文中の表現)
詩人・文才
ゲリラ戦士
イケメン
自分に厳しく他人にも厳しい
売り込むタイプでなく不言実行型
ノリの良いラテンアメリカ系ではなくどちらかといえば、無口、ぶっきらぼう
共産主義思想
親中反米
打倒帝国主義
カストロの盟友
キューバ革命の立役者
葉巻とマテ茶が好き
着る物、格好には無頓着
地位・名誉、金にも無頓着
二度の結婚
(最初の妻との間に一人の娘、2番目の妻との間に、男二人女二人)
家族を愛したが家庭には留まらなかった
39歳で捕まり処刑された。

来日も。広島の原爆慰霊碑に献花。

工業化を目指した。
キューバを去ってコンゴへ。ゲリラ活動再開
コンゴをあきらめ、ボリビアを戦地に。
殺人鬼とは違うだろうが、目的のためとはいえ、当然、多数の人を殺した。
マンガやアニメのモデルにすぐにでもなりそう。
1997年。遺骨が発見。